トイガン射撃 製品レビュー

APS-3 LE2017製品レビュー

投稿日:2017年3月26日 更新日:

le2017-01買おうと思ってたけれど買えなかったLE2017。トリガーカスタムのご依頼を頂きまして、「ついでにブログのレポート記事用に写真とか撮っちゃってもいいですか?」ってお伺いたてたらいーよいーよってことでしたので掲載します。リスキーさんありがとうございます。

毎回、発売とほぼ同時に売り切れてしまい入手困難な状態となるAPS-3のLE(リミテッド・エディション)モデルですが、LE2017もご多分に漏れず「正式に発売が発表される前に、すでに予約完売状態」という超売れっ子モデルとなったとのことです。

実は私は今まで一度もAPS-3のLEモデルは買ったことがなく(APS-1グランドマスターなら一度だけあります)、今度くらいは購入したいなーとか思ってたのですが、のんびり構えてたら前述のような状態で完全に期を逸してしまったという次第です。

アウターバレルを兼ねたマウントベース、LEモデルならではのポリッシュ仕上げされたレバー類などは、基本的にはドレスアップに近い存在です。一番気になるのは、ステンレス製でキレがよくなったというシアなのですが、写真を見る限り、「この形じゃあ、別にキレもよくならないしプルが軽くもならないよなあ……?」としか思えず頭をひねるばかりでした。どういう理屈でこの形のシアでトリガーのキレを良くするのだろう、というのが一番の不思議ポイントでした。

今回、実際に手にすることができましたので、撃ってみたり、トリガープルを計測してみたり、さらに分解してシア形状をORとじっくり見比べてみました。その結果なのですが……。

残念ながら、「酷評」に近いレビュー記事になってしまいます。LE2017を購入して、十分に満足している方は、ここから先を読むと気分が悪くなるかもしれません。このLE2017を、たとえばショップさんとかメーカーさんからお借りしたり譲ってもらったりしてのレビュー記事だったら、「どうやって言葉をぼかしてこの惨状を表現したものだろうか」と頭をひねることに記事を書く時間のほとんどを費やすことになったでしょう。

見た目は文句なしに格好良い

メタリックなブルーとシルバーとブラックの3色がバランス良く配置されたスタイルはLEモデルならではの格好良さにあふれています。アウターバレル兼マウントベースのブルーも単なる青色ではなく、深みがあり光の加減によって表情を変える実に高級感のあるメタリックブルーです。
 

le2017-03メタリックなブルーとシルバーのコントラストが格好良いですね。

コンプレスト・シリンダーは鏡面仕上げのシルバー。レバー類は最近のORモデルのブラスト仕上げと異なり、ポリッシュ仕上げとなっています。
 

le2017-04ポリッシュ仕上げされたコンプレスト・レバー。見た目の高級感もさることながら、頻繁に操作する部分なので手に優しいのはありがたい要素です。
le2017-02頻繁に操作するといえば、上部にあるカバーも弾を1発撃つたびに操作しなければならない部分。もちろん、ここもポリッシュ仕上げになっています。
le2017-07シリンダーの右側面にはLEモデルであるということと、詩がワンフレーズ刻まれています。
le2017-06見た目の違いといえばグリップ後部にある「APS」の文字は、アウターバレルに色調をあわせたブルーでペイントされています。
le2017-24透明なマガジンも、このLEモデルの特徴です。残弾確認がしやすいという利点もあるようです。(私はマガジン使わないので関係ないですが)

バランスを調整できるウエイト。効果は…?

アウターバレルに取り付けることができるウエイトが4つ付属します。1個あたりの重さは10g。4つ全部付けると40gです。ウエイトというからにはもうちょっと重さがあるほうが……とも思うのですが、APS-3については「軽くしたい」というニーズは良く聞きますが「重くしたい」というのはあまり聞かないので、これはこのくらいがちょうど良いのかもしれません。
 

le2017-08メッキ仕上げでピカピカに光り輝くウエイト。これもどちらかというとドレスアップパーツに近い存在と割り切ったほうがいいのかも……。
le2017-09フロントサイトは幅4.5mmのものが取り付けられていました。アウターバレルの溝と形が合っていなくて後ろに隙間ができちゃってるところがちょっと格好悪いですね。

インナーバレルは特別製

79度のマズルクラウンがついたテフロンコーティングされた特別製のインナーバレルが付いている、というのがウリの一つです。これによる命中精度向上効果もあるのでしょうが、今回は特にそっちはテストしません。どうせ当たることは分かってますし、自宅では距離も取れませんので。
 

le2017-11KM企画の「TNバレル」に良く似た色のインナーバレル。テフロンコーティングされているとのことで、確かに触ると妙にすべすべした感触があります。先端にはブレ止めのOリングが付いています。
le2017-12インナーバレルの根本は真鍮製のカラーで固定されています。

内部メカニズム

ストライカーはORモデルと同じ亜鉛ダイキャスト製ですが、上部のくぼみに小さいボールベアリングが入ることで摩擦が低減され、撃発時の前進スピードが安定して初速の安定につながる、というのがウリ文句の一つです。実際に組み込んだ状態で手で前後動させてみても違いはそれほど分からないというのが実情だったりします。あと、分解や組み込みの難易度は桁違いにアップします!
 

le2017-13ストライカー上部に入る小さいボールベアリング。分解時にこれを落とさないように、それはそれは細やかな心配りが必要になります。もし落としてしまったら、散らかった部屋だとまず見つからないでしょう。

シアAとBはステンレス製で、形状もORモデルとは若干異なります。Cバネが入っていないのでシアCは何の働きもしないのですが、とりあえず隙間埋めに入れてあるようです。
 

le2017-14ステンレス製のシアAとシアB。このパーツにより、キレが良いトリガーが実現されるというのですが……。

異常に重いトリガープル

リスキーさんから届いたLE2017は、「この製品はトリガープルが軽いから気をつけろ」という注意書きシールが貼られたままの、まさに「購入したままのド新品状態」でした。何か手を入れてあるとかそういうものではありません。完全な箱出しノーマルです。

とりあえずシールを剥がして弾が入ってないかどうか確認してから、コッキングして空撃ちしてみます……あ、セフティかけたままだった。あれ、かかってない? 確かにセフティオフにしてこれで撃てるハズなのになんでトリガーが引けない? もっと力を入れてみよう、もっと強く、強く、強く……うおおおお! ガチン! 撃てた! なんだコレ、あきらかにORモデルよりトリガープルが重いぞ!?
 

le2017-05トリガーの見た目はORと同じです。先代のLEモデルにあったような左右にクルクル回ってしまうようなギミックは付いていません。しかしプルは異常に重いです。

実際のトリガープルを計測してみます。

機種        /1stステージ  / 2ndステージ
OR(ノーマル)    / 210g前後  / 520g前後
あきゅらぼカスタム / 210g前後  / 320g前後
LE2017       / 210g前後  / 780g前後(※580g前後の製品も)

物凄い重さのトリガープルです。狩猟用のライフルなんかだと1kgとか2kgといった超ヘビーなトリガーもありますが、競技銃としてはこの重さはありえません。キレが良いとか悪いとかいう以前の問題です。

[3/28追記]本日、別のLE2017を手にする機会がありましたのでトリガープルを計測してみたところ、セカンド・ステージは570~590gの範囲でした。リスキーさんから届いたLE2017よりは大幅に軽いトリガープルでして、ORより重いのは確かですが「ほとんど変わらない」といっていいレベルです。製品によって差があるのでしょうか…?
 

le2017-10グリップを外したところ。いわゆる「Cバネ外し」を最初からやってある状態です。
le2017-15シアAの比較。上がORモデルに入っている亜鉛合金製のもので、下がLE2017に入っているステンレス製のもの。
le2017-16こちらはシアBの比較。
le2017-25写真だけだと違いがわかりづらいので、寸法を測って図にしてみたものを重ねてみました。黒い線がORモデル、赤い線がLE2017のものです。

シアBの形状を変更することで、あらかじめ少し動かした状態にしてキレを良くする効果を狙ったものですね。シアAの形状変更も、セカンド・ステージのストローク軽減(キレの向上)を狙ったものですね。しかしシアBの「あらかじめ動かしておく量」が不十分なため、コッキングするとシアA/Bが深く噛み合った状態になってしまい、結果的にトリガープルが重くなったのだと思われます。

また、敢えてシアBスプリングをORモデルよりもあらかじめ縮めた状態にしておくことで、セカンド・ステージを重くしようとする設計をしているように見えます。実際に撃ってみた結果が逆になっているようだったら「どういうことだろう?」と頭をひねらなければならないところですが、現実にセカンド・ステージのトリガープルは重くなったわけですから、「こういうシアを使っていれば、まあ、そうなるだろうなあ」という、順当な結果と言えます。

トリガーカスタムすると、化ける

このLE2017は、もともと「あきゅらぼトリガーカスタム」の依頼で送っていただいたものですので、もちろんトリガーカスタムを行います。

シアがステンレス製ってことなので、もし削れないくらい硬い素材だったらどうしようとちょっと心配でしたがそんなことはなく、鉄工用のヤスリで普通に削ることができました。さすがに亜鉛合金よりは大変でしたが……。

組み込んで、側面に取り付けた調整ネジを回してみると、その時点で何かもう感触が異なります。シアBの動き方が「ぐりっぐりっぐりっ」ではなく「スススススーッ」と滑らかに動くのです。亜鉛合金のザラザラした柔らかい表面ではなく、ステンレスの硬さによる効果なのだと思われます。

「調整ネジを締め込んでいって、撃発したところからネジを半回転だけ戻す」というのが通常の亜鉛合金製のシアでの調整方法でした。最低でも半回転は戻して十分にシアBとシアAを噛みあわせておかないと十分な安全マージンが取れず、予期せぬ暴発につながってしまう危険があったからです。しかしステンレスシアの場合はもっとシビアに調整できます。1/4回転でも全く不安がありません。

トリガープルを比較してみます。

機種        /1stステージ  / 2ndステージ
OR(ノーマル)    / 210g前後  / 520g前後
あきゅらぼカスタム / 210g前後  / 320g前後
LE2017       / 210g前後  / 780g前後(※580g前後の製品も)
LE2017カスタム   / 210g前後  / 270g前後

とんでもない軽さになりました。1stと2ndの差は60gそこそこしかありません。それも、「うっかり触って出ちゃった」じゃなく、ちゃんと2ndに当たる感触があって、そこから力を加えることで撃発するというメリハリがしっかりと効いたトリガーになっています。
 

trigger-custom05数字だけだと少しわかりづらいかと思ったのでグラフにしてみました。
[3/28追記]他のLE2017はそれほど重いトリガーではなかったのでその情報を反映させました。

ノーマル状態でのトリガープルの重さは、何かの間違いだったのでしょうか? いやしかし、シアの形状を見る限りはやっぱりあんな感じのトリガープルになって当然の設計だったし……。といろいろ考えてしまいます。

とりあえず、たった1丁だけですがカスタム前とカスタム後を撃ち比べてみて言えることは一つです。

LE2017を購入して、異常に重いトリガープルにガッカリしている人は、ぜひ「あきゅらぼトリガーカスタム」を試してみて下さい。別物のように生まれ変わります。LE2017は、上達して上手くなってからトリガーカスタムをする銃ではなく、まずトリガーカスタムをすることによって始めて使えるようになる競技銃です。

aps3-customAPS-3トリガーカスタム特設ページ

[3/27] 初出時に、アウターバレル兼マウントベースについてショップ製カスタムパーツとの類似点を指摘する項がありましたが、基本的な構造そのものはマルゼン製APS-3 LE2011から継承されたもので、見た目が良く似たものになったのは若干のデザイン変更によるものでした。思い込みで書かれた部分も多い不正確な項だったため、該当部分を削除しました。該当パーツを販売しているショップ様やメーカー様にご迷惑をかけてしまったことについてお詫びいたします。

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