エアピストルの購入相談【海外の反応】


銃の所持に厳しいシバリがない国というとアメリカが真っ先に思いつきます。実際に銃の所持率でいったら世界ランキングでダントツのトップになります……が、ISSF系の精密射撃というとやっぱり比較的マイナーな趣味になるみたいです。そんなマイナー趣味にのめり込んだ人たちが、自分が競技に使う銃をどういうふうに決めて、どういうふうに購入するのか、そんな異文化が窺い知れる購入相談トピックを紹介したいと思います。

こういった「購入相談系」のトピックは定期的に投稿される定番トピックだったりします。「過去ログで山ほど語ってるんだから検索してそっち読めや!」みたいなレスがつくのもお約束ですが、質問者さんの変なコダワリが気になってついつい語りたくなってしまう常連さんがレスを付けて、そのレスが発端となって議論が始まったりするというのもまたお約束です。
 

What kind of Air Pistol?

引用元:http://targettalk.org/viewtopic.php?f=4&t=54225


  • こんにちは。
    私は32年以上、スモールボアとエアライフル射撃をやってきました(高校-大学-高校の射撃チームのコーチ)。そして今、エアピストルに手を出し始めました。今は借り物のピストル(FWB)を使っていますが、より本格的なものに移行したいと考えています。
    そこで、どんなピストルを手に入れるべきかというアドバイスを求めています。ブランドや、電子トリガーやそうでないもの、その他の様々な要素について。
    よろしくお願いします。(テキサス州・USA)

 

    • →可能な限り「セクシー」なものを手に入れて、それを使ってください。それがどんな選択であれ、あなたの選択が良い選択です。
      なお、私はモリーニの電子トリガーと、ステイヤーの電子トリガーを使っていますが、撃発時に銃が動かないステイヤーは素晴らしいと言わざるを得ません。(国籍不明)


 

    • →テキサスにお住いなら――テキサスのどこらへんかにもよりますが――、インターナショナル・シューターズ・サービスを訪れて、ニール・ステップに相談することをおすすめします。
      彼はフォートワース(テキサス州の都市)にいて、現在入手可能なメジャーな競技用ピストルのほとんどすべてのサンプルを持っているはずです。また、異なるサイズのグリップも豊富に取り揃えており、全てを試すことができます。取り扱いブランドはファインベルクバウ、ヘンメリー、モリーニ、ステイヤー、そしてワルサーとなります。(マサチューセッツ州)

 

    • はい、それも考えています。ニールのところまで30分ほどしかかかりません。実のところ、私は過去30年間、彼は私のお金をトン単位で持っていきました(笑)。私は、彼がさらに私からお金を搾取することになるだろうと予想しています…。(テキサス州)

 

    • →やはりそうでしたか。エアライフル射撃をやっていらっしゃるなら、これまでにも彼はあなたの財布をずいぶんと軽くしていただろうと確信していました。(マサチューセッツ州)

 

  • 私はニールと会うのは難しいです。一時間半くらいのところに住んでいるので数年前に一度訪れてみたことがあります。あらかじめ電話をしたところ、「翌日の午後2時、近くまで到着したときにまた電話をしてくれ、そのときに住所を教える」とのことだったので、翌日に一時間半かけてドライブして電話をしたのですが、まったく電話に応答がありませんでした。(アメリカ)

 

    • →私も、先日ニールのショップを訪れたばかりです。いくつものエアピストルを試すのに数時間も付き合ってくれました。素晴らしいサービスでした!
      FWB P8Xが私にとって最高のフィット感でした。(テネシー州ミネオラ)

 

    • →ニールのすばらしいサービスと競争力のある価格に、私も一票を入れます。
      P8Xは素晴らしく良い銃です。望む調整の全てが可能です。特にグリップ角度を調整できるのは本当に便利です。
      角度調整用の穴が云々されていますが、私はあんな小さな穴は特に気になりません。グリップは気に入っています。私の手は92mm幅なので通常ならばSサイズのグリップが適切とされますが、指が一般の方より長いためMサイズの深さが気に入りました。両方のサイズを試しました。
      反動吸収装置付きのエアピストルで多く弾を撃ったのは始めてで、コールとの一致は撃つたびに良くなっていきました。箱出しでは7grの弾で初速平均が541fpsでしたが、20発ほどで5fpsほど上昇しました。
      2本の六角レンチとマイナスドライバー1本が付属し、それで全ての調整が可能です。トリガー調整ネジはきれいにマークされており、調整は本当に簡単です。トリガーは本当にいい感じです(他にMGH1とK12を撃ったことがあります)。トリガーのキレはクリスプで、ブレーク(シアが切れること)しても動揺は起こりません。ミディアムグリップの重さは970gです。(ユタ州)

 

  • 私は自分のLP10が好きです。EVOが出回ってきた2017年の今となっては「オールドスクール」に属する銃ですが、今でも十分に第一線で戦えますし、なにより扱いやすいのが利点です。反動が存在しないということは、私がこれまで撃ったことがあるあらゆる競技銃の中でも、最も革新的なアップグレードでした。(国籍不明。フランス?)

 

  • モリーニ162EIを買うべきです。(ニュージーランド)

 

  • どの銃が良いか、どんな違いがあるのか…それは全く問題ではありません。ハイエンドの競技用ピストルは、全て同じです。私は、市販されてるほぼ全種類の競技用ピストルを所持していますが、それらは現役の競技シューターが使っているものである限り、「全てが良い」と言って構いません。
    私はステイヤーEVOやLP10を他のものより薦めます。私の手にはとてもバランスが良く感じられるからですが、あなたにとっては何か別の理由でもって他の銃のほうが優れていると感じることもあるかもしれません。
    私は自分のベストスコアをLP1で記録しました。射撃時の銃口の跳ね上がりはLP10よりも大きなものですが、私にとってはその動きは十分に予測できるものだったので、結果として良いスコアが撃てたのです。(確かドイツの人)

 

    • →上の人に100%同意します。銃そのものの違いは、ほんとうに大した問題ではありません。「自分が使いたい」と感じるものを手に入れてください。(国籍不明)

 

  • シングルポンプ式のIZZYからPCPにアップグレードするのには、なにか鉄則というか経験則みたいなものはあるのでしょうか?
    私はずいぶん長いこと、IZZYでがんばってきました。いつでも新しいものに買い換えようと思えば買い換えられるのですが、悩みが一つありまして…。
    なかなか500を超えられないのです。
    500超えが今年の目標なのですが、とても達成できそうに思えません。このフォーラムにあったマッチグレード弾についてのトピックを参考にしてますが、果たして自分に当てはまるものなのか疑問です。
    スコアを金で買うことはできないということは理解していますが、少し疑いも持っています。
    また、年を取った新参者としては、「60発を撃った後はへとへとに疲れてしまう」なんて弱音を吐きたくないという気持ちもあります。先日、1日に2つのマッチに出場し、IZZYを撃った後に古いシングルポンプのFWB602を撃ちました…が、それはまた別の話です。遠すぎた橋でした。
    「IZZYではなく、もっと最新の銃を買ったほうが良い」というアドバイスが多いようでしたら、私は何かを売って購入資金を作るか、貯金を始めるか、あるいはその両方を行うでしょう。(メイン州)

 

0_value_4552_207訳者注:「IZZY」というのはロシアのバイカルというメーカーが作っている競技用エアピストル、IZH-48Mの愛称のようです。写真は公式サイトより引用。

 

    • →IZZYを使って500以上が撃てないというのなら、おそらくPCPやCO2のエアピストルを使っても結果は同じでしょう。銃のせいではありません。というか、PCPやCO2は決して射撃するにおいて「易しい」というわけではありません。細かい部分の微調整について、できる箇所や範囲が広いというだけです(そしてそれは、初心者にとってしばしば悩みの種になります)。
      経験則から言えるアドバイスは、「それを買えるお金があるのなら、買いなさい」というものになると思います。(ケベック州モントリオール)

 

    • →銃を万力で固定して(もちろん、そのままコッキングできるようなやり方で)撃ったとしたら、IZHは60発の全てを10点リングの内側に入れるだけの性能を持っています。だから問題となるのは、なぜあなたは万力無しではそれを実行することができないのか、ということです。原点に立ち返って考えてみると、全てはピストルのエルゴノミック・グリップが、あなたの手にどれだけ合っているか、ということに尽きます。
      500近辺から抜け出せないのなら、何があなたをそのレベルに押しとどめる原因になっているのかを把握する必要があります。確実な方法は、コーチの助けを借りることです。あなたが、「自分の銃(IZH)が、その原因である」と考えているのなら、その理由はなんだと思いますか? IZHのグリップは工場出荷状態でワンサイズしか用意されておらず、手の大きさに合わせて選択するということができませんが、削って調整できるようなデザインになっています。問題は銃身が重すぎることでしょうか?60発をポンピングする作業が負担になりすぎるのでしょうか? トリガーがうまく設定されていないのが原因でしょうか? IZHのトリガーには多くの調整機能があります。
      射撃において、何が起こっているのかわからない場合には、新しいハードウェアを購入して購入する前に、その原因を明らかにしておく必要があります。たとえば、マッチの後半になるとスコアが下がる傾向がある場合、あなたはコッキングによって疲労している可能性があり、PCPが助けになるかもしれません。弾痕が左右へと広がる傾向がある場合、それは通常グリップの問題(あなたのグリップの握り方か、ピストルのグリップの形か、あるいはその両方)であることが多いです。PCPに変更してもその問題を解決することはできませんが、新型のフィット感の良いグリップを得ることは助けになるかもしれません。
      あなたは、ショットをコールすることができますか?(訳者注:撃った直後、ターゲットを見る前に「どこらへんに当たったか」を予測することをコール、日本語だと着弾予測といいます。とても大事なことです。「コールの大事さ」について書いたエントリー参照)もし、どこに当たるのか、どちらに外れるのか全く予想がつかないというのなら、ピストルは問題の大きな部分ではないかもしれません。(マサチューセッツ州)

 

    • →IZH-46Mで素晴らしいスコアを撃つことは可能なのかどうかということでしたら、答えは「YES」になります。では、競技にそれを使うかと問われたら、私は「NO」と答えるでしょう。
      なぜか? 私は拳銃の撃ち方をブラックパウダーリボルバーで学びました。1970年代のことです。その手順といったら面倒なことこの上ありません。まずピストルを掃除して、チャンバーに火薬を充填して、ボール(弾)を詰めて、そしてパーカッションキャップを挿入し、やっと撃てます。撃ったらまた最初からです。
      今では、キャップ&ボール(パーカッションキャップと丸型弾丸の組み合わせ、つまり前装銃射撃のこと)での競技はほとんど開催されていません。センターファイアは、その操作手順の容易さと、安定性がなによりもの利点です。私達の中にはさらなる完璧を目指して自宅でリロードする人も少なくありません。
      IZH-46Mとキャップ&ボール・ピストルはどちらも優れたツールです。ならば、問うべき質問はこれです。「同じピストル使う他の射手と同条件で競い合うのか?」「他の射手が使っているツールには、あなたが使っているツールでは得ることができないアドバンテージを与える高度な技術が使われているか?」ということです。
      ブルズアイ射手から見ると、センターファイア弾のリロードは、PCPエアピストルのプリチャージと同等のアドバンテージがあるように感じます。
      すべての競技者は、それぞれの状況に応じて、適切なツールを選択する必要があります。 他人の偏見に基づいてツールを選択することは、失敗の処方箋です。(ノースロンドン、オハイオ)

 

  • >500近辺から抜け出せないのなら、何があなたをそのレベルに押しとどめる原因になっているのかを把握する必要があります。あなたが、「自分の銃(IZH)が、その原因である」と考えているのなら、その理由はなんだと思いますか? トリガーがうまく設定されていないのが原因でしょうか? IZHのトリガーには多くの調整機能があります。
    私はトリガーの調整が役立つと思います。
    私のトリガーフィンガーはトリガーに少し斜めになって接しています。トリガーが少し遠すぎて、短縮する必要があると思います。
    基本的に毎回コールを行っていますが、時々は「驚きの結果」になってしまうことがあります。不注意によるものだと思います。
    試合後半ではむしろスコアは良くなっていく傾向がありますから、疲労が問題になっているとは思えません。 私は自宅の地下室で毎日60発くらいは撃とうとしています。銃口が重く感じて、照準が大きくズレてしまうのを修正するとき、時々過剰に修正したり手首を「フリップ」するような動きになってしまい、着弾が白いところまで飛んでいってしまうことがあります。照準修正のために手首を使と確実に悪い結果になります。グリップは私には少し小さいように感じますが、なにかと比較することができません。(メイン州)

 

    • →同じIZZY使いでも、あなたは私よりずっと上手いです。私は約1週間だけLP10を試す機会がありましたが、それでIZZYより良いスコアを撃つことはありませんでした。LP10はIzzyよりもはるかにバランスが良いと感じましたが、IZZYによるトレーニングは手首を強化し、無理な修正をしないことを学ぶのを助けてくれるように感じます。……が、確かなことは分かりません。
      あまりにも深い誤差が生じてしまったときには撃つのを止めて構え直しをするように、私は現在自分自身を訓練しようとしていますが、難しいです。そもそも、それが正しいアプローチなのかどうか、あるいは構え直しではなく大きな修正もできるように練習するべきなのか、疑問に思っています。(国籍不明)

 

    • 撃つのを止めて構え直しするのが良いと思います。「いいから撃っちゃえ」という誘惑に打ち勝ちそれを実行するための勇気が必要です。(メイン州)

 

  • コッキング式のピストルでも、優れたものは十分に高い精度を持っています。とはいえ、試合で60回もコッキング作業をするとなると疲労するのも確かです。私はファイベルクバウ102(コッキング式のエアピストル)を持っています。私はそれを大変気に入っていますが、競技には使いません。私が最初に所持したピストルはファインベルクバウC60、CO2式のものでした。600ドルで購入しました。CO2ですから親タンクが必要なので、溶接屋から中古の5ポンドタンクを譲りうけました。一言で言って最高です。タンクをフルチャージすれば60発以上は余裕で撃てますし。そんなわけで、バウC60は私にピッタリです。問題があるとすれば、CO2式だということだけです。私は他に、Morini162とMG1を持っています。すべて購入したもので、もう買ってから10年になります。私はいまだかつて、エアピストルを壊れるまで使った人を知りません。
    どんな銃があなたにピッタリなのか見つけて下さい。良い状態の中古のCO2やPCPピストルが、2500ドルのトップラインPCPより前に見つかるといいですね。(国籍欄が空欄ですが、貨幣単位がドルなんだからアメリカでいいのかな?)

 

  • 私がコーチを手伝っている大学射撃チームは、男はまず最初にIZHから始めることになっています。女性はCO2式のTau-7です。試合で500を超えたらPCPにアップグレードさせます。何人かの学生は射撃を始めて1~2ヶ月でクリアしますが、そうでない場合は1年ちょっとでクリアできれば良い方、それ以外は落胆して何か他のことをするために退部していきます。
    練習は週に4回、1時間です。これが彼らに与えることができるコーチングの全てです。選手がIZHからPCPに持ち替えた時、得点には大きな変化はありませんが、一発ごとにコッキングする必要がないために良いショットプロセスの開発に集中することができます。そこから若干のフィッティングによって向上し、また時には少し後退したりするというのが典型的なパターンです。
    進級する頃には良い射手は500点台半ばを撃つようになっています。それは決して易しいことではありません。なぜなら500以上を撃てるようになると22口径(スタンダードピストル、スポーツピストル、そしてフリーピストル)を始めるようになり、練習時間が分散されてしまうからです。また学生達は学校の勉強や長い休暇など、他に注意が逸れてしまったり練習を中断してしまったりする要因を山ほど持っています。彼らはおそらく、毎年射撃に取り組んでいられる時期は全体の7ヶ月ほどしかなく、秋にはフォームを思い出す必要があります。(マサチューセッツ州)

「道具の違いがスコアに与える影響なんて、無いようなものだ……」

射撃にかかわらず道具使うスポーツでは定番のフレーズです。定番になってるってことは、やっぱり真実なのでしょう。わかっちゃいるんです。外すのは銃のせいじゃなく自分のせいだってことは。それでも。やっぱり思っちゃうんですよ。新製品の心躍る格好良いCMとかチラシとか見ると、「これさえ買えば、自分も表彰台に……!」って。




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プロフィール

 
池上ヒロシ
各種雑誌にてライターをやっています。
銃器の構造、歴史、射撃技術などが得意分野です。メインフィールドはピストルを使った精密射撃です。
 
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