749ドルの射撃解析装置


scatt-basic09今年始めのショットショー(in ラスベガス)で発表され、2月10日に発売になったばかりの新型SCATT。発売前に予約してアメリカから直送してもらった。多分、日本では初のリポート記事になるんじゃないかと。

「銃を構えて、狙って、引き金を引いて弾を撃って、ターゲットに当てる」というのが射撃というものです。いきなり当たり前の話から始めて申し訳ありませんが、射撃ってのが、物凄く個人的というか、なにがどうなってるのか他人からは皆目わからない細かい「動き」の集合なのだということを改めて強調しておきたかったのです。

射撃をしている誰かが、良く当たっている、あるいは当たっていない場合、それが「なぜそうなるのか」を横から見ているだけで判断するというのはとても難しいことです。その人がどんなふうに狙って、どんな感じでどんなタイミングで引き金を引いているのかは、本人しか分からないからです。

そこで、トリガーを引く直前と、引いた瞬間と、引いた直後に、銃口がどこを向いているのか、その軌跡をセンサーで読み取ってパソコンに転送して記録し、誰でも見ることができる(もちろん、本人もリプレイして見返すことができる)ようにしたのが射撃解析装置です。基本的な目的としては、実銃で射撃競技をしている人が「より上手になる」ための練習道具として誕生したものです。

弾を撃たなくてもトリガーを引いてハンマーが倒れたりするときの衝撃でもって「今、射撃をした」と判断することによって、実際に発砲しないでも発砲したとしたらどういう結果になったかをシミュレートするための道具としても使われています。射撃スポーツの練習の他、軍隊の訓練などでも射撃解析装置は広く使われています。

代表的な射撃解析装置としては、軍用としても使われているNoptelRIKA Home Trainer、そしてロシア製のSCATTなどがあります。基本的には専用のターゲットを設置して、ターゲットと銃に取り付けた装置との通信によって作動するものが多く、「実際に弾を撃つ」練習と併用することが難しいという問題がありました。

SCATTは近年、銃に「ターゲットを撮影するカメラ」を取り付け、通常のターゲットを狙って撃つだけで作動するタイプの製品を発売しました。ターゲット側には何も取り付けないので、撃って穴だらけにしたところで何の問題もありません。実際に弾を撃ちながら、「今のが当たったのはなぜか、外れたのはなぜか」を記録して後から見返して分析できるというのは大きな利点です。価格も1799ドル(日本では、シースジャパンの販売価格で179,000円です……安くね?)と「目の玉が飛び出るほど高い」というわけでもないこともあって、私の周囲でも実際に持っていて使ってる人が何人もいます。

ただ、射撃用品の相場からすればそれほど高くないといっても、やっぱり18万円って高いです。そうおいそれと買えるものじゃありません。射撃解析装置としてではなく、射撃シミュレーターとして銃が所持できない若年層や、まだ所持していないけれど興味がある人の入門用に使うとしたらやっぱり数台は欲しいわけで、じゅうはちまんえんもするものを何個も揃えるとか、とてもとても夢物語です。

だからこそ、「8万円程度で収まる範囲の価格」という条件付きで新型ビームライフルの開発が行われ、実際にはその予算は大幅にオーバーしてしまったもののとりあえず形になった興東電子のビームライフルや、まだ発売にはなっていないけれど興東電子のよりはずっと安くなりそうなマルゼンのデジタルカメラピストルに期待が集まっていたのですが……。

今年始めにアメリカ・ラスベガスで開催されたショットショーにて衝撃の新製品発表がありました。SCATTから、従来型よりも大幅に小型軽量化、そしてお値段を下げた新型の入門用SCATTが発売されるというのです。ショットショーってのは、「とりあえず発表してみただけ」みたいなものも少なくないのですがこれについてはそうではなく、ほとんど間髪を入れずにSCATT USAのサイトで予約販売が受付開始されました。

新製品の名前は「SCATT BASIC」。価格は749ドルです。アメリカ国内なら送料無料ですが日本までだと50ドルの送料がかかります。それと関税みたいなのも取られるはずです。けれどそれを全部合計(1ドル120円換算で)しても10万円をちょっと超える程度で済む計算になります。

というわけで、即座にポチってしまいました。発売は2月10日、事前予約申し込みをした人にはそれより前に順次発送するみたいなことが書いてありましたが、実際に届いたのは3月に入ってからでした。まあ、それでもずいぶんと速いです。

ちなみにシースジャパンさんでも取扱を開始しています。価格は119,000円。たぶんこちらには日本語マニュアルとか付いてくるんでしょうから、これから日本在住でSCATT BASICを購入しようとするなら、シースさんから買うのが良い方法だと思います。

前置きが長くなりましたが、それでは次ページからいよいよ、届いたばかりのSCATT BASICのレビュー記事を開始したいと思います。




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2 Responses to 749ドルの射撃解析装置

  1. Joker

    池上さん こんばんわ
    日本初のscatt basicのレビュー大変参考になりました。
    安くて小さくてすごく使い勝手の良さそうなスキャットできたなと思ってたんですが、機能が制限されるのはちょっと残念ですね〜。。。これでmx02とおなじ分析ができたらすごくよかったのに。。。できるんでしょうけどさせないのはかなりやらしいですね笑
    FB友達申請させていただきました。もしよろしければ承認よろしくお願いします!

  2. 池上ヒロシ

    コメントありがとうございます

    見た目とかの小さい部分は除いて、一番の「機能制限」はグラフや統計を使った細かい分析機能がざっくりと省かれてるところだと思います。が、ああいった機能って使いこなすのも難しいです。「X軸のブレがー」とかグラフみて頭をひねってるけど、言っちゃ悪いけれどあなたが気にするべきところはそこじゃないでしょ、トリガー引くときに盛大にブレてるじゃんみたいな人って射場で見ることけっこうあるんじゃないかと。

    その点、「撃ったら軌跡が出るだけ」ってシンプルな作りのコレは余計なこと考えないでいい分だけ使いやすいのかもしれません。具体的には、私みたいに560行くか行かないかでアップアップしてる人間にはまさにちょうど良いガジェットです。大会での570台・580台が見えてきてる人になると物足りなくなってくるかも。

 

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