実銃射撃

2016リオ・50mフリーピストル ファイナル

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2016rio-50mpistol-mainピストル射撃競技の中でも「最も難しい」と言う人もいる50mピストル。スモールボアライフルと同じ22口径の弾を撃つ。かつての「フリーピストル」という呼び名のとおり、銃の形や構造への制約が少ないが、それでも50m先のターゲットの中心を正確に撃つのは難易度が高いらしい。
※写真はNHKの見逃し配信動画より引用(あきゅらぼロゴがあるものを除く)

10mピストル(エアピストル)ではファイナル進出ならなかったけれど、本命のこちらではなんとか……!と期待したのですが、松田知幸選手、50mピストルでもファイナル出場ラインに6点とどかない550-12xで19位、予選落ちとなってしまいました。いつものオリンピックだと560あたりがファイナル出場ラインになるので、今回の8位通過の556という点数は「いつもよりけっこう低い、環境が悪かったのかもしれない」と想像できる得点です。

試合後のメディアインタビューで風の影響を口にしていましたが(というか話の流れ的に記者側から振ったっぽいんですが)、実際にNHKのオリンピック特設サイトに公開されている見逃し配信の動画を見ると、屋外で行われた本射(予選)映像では、物凄い勢いで右や左にバタバタとはためく風旗が見えますので、凄い風だったってのは確かにそうなんでしょう。弾が風で逸れる以上に、片手で銃を持った不安定な姿勢だと姿勢そのものが風に煽られて崩れるんですね。屋内射場でしか撃っていないと対応できない、みたいな要素もあるのかもしれません。

ファイナル出場選手は、韓国×2、中国×2、ロシア、ベトナム、北朝鮮、スロバキアが各1人ずつ。8人中6人がアジア人です。ヨーロッパが射撃に力を入れていないわけではありません、むしろドイツや北欧ではかなり盛んなスポーツです(実際、ライフル種目ではメダルを量産しています)。ルールで優遇されているんじゃないかというと、そんなことはなくむしろ逆で、左右の目隠し板に関するルール改正なんかはアジア人に対する露骨な差別的内容だったりします。それなのにこの結果です。「アジア人は、ピストル射撃に関しては特別に優位になる遺伝的形質を持っている」なんて仮説が現実味を帯びてきますね……。

参考:
NHK・男子50mピストル決勝【見逃し】
ISSF・RESULTS 50m Pistol Men FINALS

 

2016rio-50mpistol-men-final例によって、ファイナルの得点推移です。9発目で大ポカ(6.6)をして最下位に沈んだあと、他の6人をごぼう抜きして優勝した韓国のJIN Jong-ohがとにかく凄かった、その一言に尽きるファイナルでした。

50mピストル、その名の通り50m先のターゲットを撃つピストル射撃競技です。撃つ弾はスモールボアライフルと同じ22口径の弾、火薬を使う実弾です。さすがにターゲットはスモールボアのものとは違って、もっと大きいものになりますが、それでもエアピストルよりも「ずっと難しい」という感覚になるようで、実際の得点もエアピストルのものよりも低くなります。ファイナル得点も、「10.0を基準に、どれだけ上に積み重ねられるか」といったものじゃなく、「どれだけ10.0から下回る量が少ないまま撃ち続けられるか」という勝負になります。

それだけに、10点の深いところに入ったときの「大挽回」な感じはエアピストルよりも大きいものがあります。エアピストルだと、たとえフルマーク(最高得点)の10.9を撃ったとしても、他の人がだいたい10.1~10.3くらいを撃ってくるので、差を広げる(あるいは縮める)としてもせいぜい0.8~0.5点程度。1点差をひっくり返すにはそれを2回続けないとなりません。

しかしフリーピストルでは、よっぽど上手い人でも9.2~9.5くらいを平均して撃ち続けるのが限界です。そんな中、フルマークを撃てば一気に1点以上も引き離せる、あるいは取り返せるのです。大ポカをしても大逆転のチャンスがある、それが50mピストルのファイナルです。

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