GUNニュース 実銃射撃

22LRをリロードする

投稿日:2016年6月9日 更新日:

22lr-screenshot「22LRをリローディングすることはできない」という常識を覆す、22LR用のリローディングキット。価格は、工具とプライマー剤(約2000発分)を合わせて、円に換算して1万円程度だ。画像は公式サイトのスクリーンショット。(※この他に鉛を溶かす道具が必要……1万~2万円程度)
http://22lrreloader.com/

リローディングというのは、簡単に言うと空薬莢に新しい弾頭と火薬を詰めて再利用することです。手間はかかるけれども一般的には新品の弾を購入するより安く済むことや、銃弾の細かいスペックを自分自身で変更することができることなどが利点とされています。

銃弾の中に詰める火薬には二種類あります。メインとなるのが弾頭を加速するための火薬、そしてその火薬に点火するための少量の火薬です。後者を「プライマー」と呼びます。プライマーは、強い衝撃が加わると激しい火花を出して燃える性質がありますので、銃を撃つときには銃弾の底部に設置したプライマーを強く打撃することで銃弾内の火薬に一斉に点火するという仕組みになっています。

現在、世界の軍隊や警察、あるいは護身用などで一般的に使われている弾は、ユニット式になったプライマーを銃弾底部の中心にハメこむ形でセットされる「センターファイア」方式の弾です。それとは別に、銃弾底部の縁部分内部にプライマーを塗り広げておき、射撃時には縁を叩き潰す形で打撃を与えてプライマーに点火する「リムファイア」方式の弾もあります。競技射撃で使われるのは、そのほとんどがリムファイアの弾、それも「22LR」と呼ばれる弾です。
 

22lr-clubいわゆる「ライフル射撃」に使われるスモールボアライフルや、50mピストル競技で使われるフリーピストルは、「.22ロングライフル弾」、一般的に「22LR」と呼ばれる弾を撃つ。錠剤みたいに小さい弾だけれど威力はそこそこあり、50mという範囲内ならば世界中に存在するありとあらゆる弾を凌ぐ高い命中精度を持つ。


銃の世界では、「22LRはリローディングできない」というのが常識となっています。リムファイアはセンターファイアと違って、「プライマーを交換する」ということができないため、リロードしようとするなら自分で薬莢内部にプライマーを塗る必要がありますが、そんな材料はどこにも販売されていません。そもそも、「衝撃が加わると激しく爆発する」ような素材が缶とかに入ってフツーに販売されてるハズがありません。

また、センターファイア弾用の弾頭は、リローディングする人のために様々な種類のものが銃砲店で販売されていますが、22LR用の弾頭はどこにも売っていません。同じ22口径のセンターファイア弾が流用できないかと思っても、例えば.223Remの弾を22LRにセットしようとすると、直径がわずかに大きく薬莢内に入らないという問題があります。

仮にリロードしようとするのなら薬莢内部に残ったプライマーを綺麗に掻きだした上で変形した薬莢の縁部分を元の形に戻し、その上で新しいプライマーを爆発しないように慎重に塗ってやって、少量の火薬を流し込んで、最後に何らかの形で自作した弾頭を取り付けてやる……という、極めて面倒な手順が必要になります。大掛かりで高い機材が必要となり、手間がかかり、その割に利点が少ないため、「22LRはリローディングできない」というのが常識だったわけです。
 

reload使用済みのセンターファイア弾は、プライマーを外して新しいものに交換、火薬を詰めて弾頭をセットすればリローディング完了となる(実際は薬莢の整形など他にも手順はある)。リムファイア弾はプライマーが外せない。どうやってリロードすれば良いのだろう?

そんな常識をくつがえす、「お手軽22LRリローディングキット」なるものがアメリカで販売されているのを見つけました。といっても、紹介している記事(NRA Shooting Sports USA)内でも「データがないことなので、このキットを使った結果、何が起こっても知らないぞ」的な警告文が長々と書かれた上でようやく記事が始まるという、かなり「アヤシゲ」な道具であることは確かなようですが、とりあえず実在しているのは確かなようです。

リムファイア弾のリロードについての問題点(上述)はどのように解決したのでしょうか? そしてそもそも、アメリカじゃタダみたいに安い22LR弾をいちいちリロードしようなんて需要があるのでしょうか? そういった疑問点については、次ページ以降で解説していきます。

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