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【ガンマメ】競技用ピストルのトリガー

投稿日:2016年1月21日 更新日:

ステイヤーLP10

Steyr_lp10使用者の多さという点では、今のところ一位だと思われるのがステイヤーLP10。反動軽減装置やグリップ調整箇所の多さ、角形のバレルシュラウドにはいろいろな位置に好きにウエイトを追加できることなどユーザーフレンドリーな作りが売りだが、トリガー自体はオーソドックスなメカニカル式だ。(Photo Wikimedia Commons)
steyr-animeLP10のトリガー作動図。ストライカー(赤色)を支えるシアA(水色)とトリガー(オレンジ)の間を、シアB(緑色)が仲介している。トリガーを引くと、まずトリガーとシアBが当たり(ここまでが1stステージ)、そこから少しでもトリガーを引くとシアBが動いてシアAの支えを外し、ストライカーが前進してバルブを叩きエアが放出されて弾が発射される。トリガー位置やスプリングの重さ、各シア同士のかみ合わせなどは外部から微調整できるようになっている(調整ネジは上図では省略)。

前進しようとするストライカーを支えているシアとトリガーの間に、もう一つ部品を追加しているという点は、マルゼンAPS-3に良く似ている(とりあえず、前者をシアA、後者をシアBという呼ぶことにする)。なぜ直接トリガーでシアAを動かさないのかというと、トリガーを軽くするためというのが一番の理由だ。ストライカーを前進させようとしているスプリングは太くて強いもので、実際に前進しようとする力もかなり強い。その強い力を支えているシアを直接動かそうとすると、どうしても摩擦が強くなってしまいトリガーを軽くできないのだ。

シアAとシアBの噛み合いは、本当に針の先ほどのごく僅かなもの(上図だとわかりやすくするために大げさに噛み合う形にしてある)。その噛み合い部分が少なければ少ないほど、「キレが良い」トリガーになるわけだが、噛み合いをゼロにするわけにはいかない(そうしたら部品を支えられなくなってしまう)ので、どうしても「シアが切れ始めてから、ストライカーが前進するまで」の間、部品同士が擦れて動く状況が発生してしまう。それに、金属部品が「ほんのちょっとだけの噛み合い」で支えあっているという状況はどうしても不安定なものだ。金属が摩耗したり変形したりすれば、トリガーが重くなりすぎてしまったり、逆に軽くなりすぎて暴発の原因になってしまう危険性もある。

それがメカニカル式トリガーの限界とも言える。トリガーのキレを極限まで良くすることは、メカニカル式を使っている以上は不可能なのだ。

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