これはガバですか? はい、木製です。


このガバメント・木製レプリカは、その会社が過去に一時期だけ作っていたもの。単にガバメントの外形を再現しているだけではなく、実銃同様にスライドを引くことはできるし、スライドストップを上げてホールドオープン状態で止めることもできる。サムセフティ・グリップセフティも可動し、それぞれハンマーをロックする機能もきちんと持たされている。ハンマーをコッキングすれば起きた状態で止まり、トリガーを引くことで「パチン」と可愛らしい音を立てて倒れる。バレルは実銃どおりにショートリコイルし、外から見ただけではわからないがちゃんとスライド内側のラグと噛み合ってロッキングまでされるらしい。

さすがにスプリングだけは木製というわけには行かず、メインスプリング(リコイルスプリング)は樹脂製、ハンマー・シア・トリガー・グリップセフティスプリングは1本の輪ゴム、マガジンキャッチスプリングは小さいゴム片が使われている。
 

wood1911parts部品はスプリング類を除き、基本的に全て木製。場所によって色合いの違う木材を使うことで組み立てた時のリアル感を出している。左は公式動画にある分解図だが、見る限りではファイアリングピン周りとエキストラクター、ディスコネクター以外は全て再現されているようだ。木製のダミーカートが付属するが、さすがにマガジンに装填したり排莢したりはできないようだ。

複雑な形状をした木製部品を精密に削りだすことができる、という技術力のアピールとして試験的に……言い換えると「お遊び的に」少数だけ生産されたものなのだろう。メインの製品であるガバメントのグリップパネルやライフルストック、ディスプレイケースなども、確かに木材の精密加工ができなければ作れないものが多い。
 

1384540244公式サイトにあるM1911のグリップパネル。まるで寄木細工のように、一部分だけ別の木材と組み合わせたものがちらほら。手作業でこれを作ったらいくらするんだろうとゾッとする加工だが、値段はそれほど高くない。

精密な寄木細工ってことなら、日本の伝統技術だってたいしたものだと思うし、高度なCNC加工技術ならそれこそ本家本元だ。法に触れる心配なく、精密な銃のメカニズムに触れることができる美しいディスプレイモデルとして、日本におけるこの手の分野はまだ未開拓の部分もあるんじゃなかろうか。
 




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プロフィール

 
池上ヒロシ
各種雑誌にてライターをやっています。
銃器の構造、歴史、射撃技術などが得意分野です。メインフィールドはピストルを使った精密射撃です。
 
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