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マグリット展 in 国立新美術館

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マグリットの作品は、同じ「シュールレアリズム」ってカテゴリーにあっても、先日行ってきた諸橋近代美術館に所蔵されているサルバドール・ダリの作品とは大きく印象が異なります。ダリの作品が肉感的・感情的とするなら、マグリットは精神的・理性的ってイメージでしょうか。けなすような言い方すると、「すましたポスターデザインみたいな絵」って表現が近いかもしれません。

別の言い方をすると、「理屈っぽい」。わけのわからないモチーフがありえない形で配置されてるって点では同じでも、問答無用の迫力で迫ってくるダリの作品と違って、マグリットの作品はある程度の知識が要求されることが多いんですね。まあ、大人気の「大家族(曇り空の中に、ハトの形に切り抜かれた青空が見える絵)」だとか、「光の帝国(空は昼間の青空なんだけれど町並みは真夜中)」なんかは、細かい理屈抜きで楽しめる絵で、だからこそ人気なんだと思いますが。

絵の中に文字が書き込まれていたり、あるいは文字そのものが絵を構成する一要素になっていることが時々あるんですが、フランス語なんで何書いてあるのかわかんないんですね。言葉の意味が大きな要素になってるんですから、せめて日本語でその言葉がどういう意味なのかくらい、絵の横に解説文を付けておいてもバチはあたらないと思うんですが、今回の回顧展ってそういう説明書きが極端に少なかった気がします。絵だけポンと置いてあって、ただそれだけ。配置の順番なんかにはそれなりに工夫が凝らされていて、それぞれのコーナーの入り口にはそれなりの解説文があるにはあるんですが、個々の絵についてはほとんど説明無し。ちょっと不親切だったんじゃないかなあ。

不親切といえば、一番最後に展示してあった「イメージの裏切り」って絵が不親切極まりなかったですね。いかにもマグリットって感じの見栄えのする絵が並んだ部屋、いわゆる「今回のメイン展示部屋」から外に出る通路に相当する場所、その曲がり角に目立たないようにひっそりと、パイプを描いた小さな絵がかけられています。どこからどう見ても、ただのパイプの絵なんですが、その絵の中にはフランス語でなにやら文字が書いてあります。

「これはパイプではない」と書かれているんですね。パイプの絵なのに、「これはパイプではない」と文字で説明書きがある、そこがこの絵のキモになるところなんですが、そのフランス語が日本語でそういう意味なんだってことが全くどこにも書かれていません。絵の説明書きにもありませんし、音声ガイドですらそこは完全スルーです。私だってフランス語なんか分かりません。若い頃に見に行ったマグリット展で詳細な解説付きで絵が展示してあったから知識として知ってるだけです。

オチ担当の絵だというのに、これじゃ多くの人がそこにオチがあるってことすら気づかずに通りすぎてしまいます。もしかしたらそれが今回の回顧展の狙いだったんでしょうか。イジワルだなあ。

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