実銃射撃

あと30才若かったら…!

投稿日:2013年12月7日 更新日:

…と、ほとんど「人生をやり直すことができたら…」と言ってるのも同然のことをタイトルに書いてますが。

日ラのサイトに「エリートアカデミー」についての要項がアップされました。中学生や高校生を対象に、「将来、国際競技でメダルを獲得できそうな有望な射手」を選抜し、北区にある味の素トレセン(それこそ強化選手や関係者でもなければ中に入ることすらできないトップアスリート専用施設)に住まわせて、「合宿生活をして毎日練習を継続できる環境に身を置かせる」というものです。定員は8名とのこと。

もちろんエリートに選抜されたら学校も転校し親元からも離れ、ライバルであり仲間でもある同じ射撃エリートと同じ部屋(2~4人部屋になるとのこと)に住んで、射撃漬けの生活を送ることになります。よく「メシを食うのと寝る時間以外は……」という表現をしますが、こういったトップアスリートになると食事や就寝もれっきとしたトレーニングの一環ですから、比喩表現なしに「四六時中射撃漬け」です。まさに夢のような環境じゃないですか……それが良い夢になるか悪夢になるかは本人次第ですが。

ロンドン・オリンピックでメダルゼロに終わってしまったという悔しい結果を受けて、日本ライフル射撃協会は選手強化方針を大きく転換しました。「今現在、良い成績を出しているトップ選手」だけを対象にして強化を行なうのではなく、「4年後、そして8年後に中核選手となりそうな年代において良い成績を出している、あるいは出しそうな若手の選手」も対象にして、ナショナルチームなどの合宿に参加させてトップレベルの強化を行っていこうというものです。対象となる未来のメダル候補選手を、「メダルポテンシャルアスリート(MPA)」と呼びます。

現時点でのメダル候補として強化を受けるナショナルチームメンバーになろうと思ったら、具体的にはエアピストルの場合、日常的に570後半~580点台を撃ち、もちろん大会でもそのくらいの点数を撃つ必要があります。世界の舞台で勝ち負けしようとしたらそのくらいの点数は最低限必要だからです。けれど、MPAに選抜されるための基準はそれよりずっと低く設定されています。16~17才では540点、18~20才では560点。540はともかく560は決して生半可な点数ではなく、現役の「大人の」エアピストル射手でも560以上を公式な大会で記録したことがある人というとけっこう限られてきてしまうレベルですが、それほど無理難題ってわけでもなく、ある程度素質があって基礎から正しく練習をしていけば1~2年もあれば射程範囲に入ってくる得点です。

当ブログにも時々コメントを書いていただけている山形県の高校生、Jokerさんも、現在7人いるMPA(ピストル部門)の1人です。本人ブログ(目指すは600点!!)もけっこう頻繁に更新されてまして、ナショナルチームの合宿に参加して日本最強AP撃ちの松田さんにいろいろ話を聞いたりだとか、外国人コーチに直接グリップを手直ししてもらったら劇的に良くなっただとか、そりゃもう転げまわりたくなるほど羨ましい話が次から次へとアップされています。そういう書き込みを見て、「俺も頑張る」と一念発起する人も多いでしょうし、現役射手にとっても普段あまりうかがい知れないトップ射手の練習風景の一端を知ることができて得ることも多いものです。トップ射手はより良い環境でさらに実力を高め、裾野の有象無象射手もそれを見て自分も頑張り、また新たに始めようとする人もきっと出てくる……良い循環が作られつつあります。

北区のトレセンに住んで四六時中射撃漬けの生活を送ることになる「エリートアカデミー」は、来年度に中学1年~高校2年になる子を対象としています(Jokerさんは現在高校2年とのことなので対象外?)。オーディションが行われるのは来年の4月1日ですが、誰でもオーディションを受けられるというわけではなくライフル協会の推薦などが必要だったりするので、「みんな試しにオーディション受けてみてよ」とか気軽には言えません。

それにしても、あの物凄い豪華な施設を住処として、トップレベルの「合宿」を何年間も毎日続けるというのは……いったいどんな青春になるのか。トレセンに住むとなったら、他にも世界トップレベルのアスリートのみなさんと頻繁に交流することになるわけで、高いレベルでの意識の維持ってことならこれ以上ない環境でしょう。もし、自分が対象年齢になるくらいに若かったら、何を置いてもその環境に身を置いてみたかった……。

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