モリーニの新型エアピストル「CM200 EI」【海外の反応】


ドイツで開催中のIWA2018。銃砲関連の新製品などが一挙に公開されることが多い展覧会(兼即売会)です。アメリカで年始に開催されるSHOT SHOWとも似ていますが、競技射撃関連の出展はIWAのほうがはるかに多く、実際に新製品発表のタイミングとして選ばれることも多いので競技シューターとしては見逃せないものがあります。

既にいくつか興味深いニュースが入ってきていますが、その中でも多くの注目を集めているのが、モリーニの新型エアピストルについてです。四半世紀もほとんど形も構造も変えずに、世界の競技シーンで第一線で活躍し続けている「生きて元気に動いてる化石」みたいな存在であるモリーニCM162EIに、ついにまともな後継機種が登場するというのですから、世界各国で注目を集めているようです。

日本の競技専門ガンショップ「ライフルショップエニス」さんのFacebookやTwitterにもいろいろと情報がアップされていまして、先日長瀞で開催された全国ピストルでも話題にしている方が多かったモリーニの新型。


もちろん、海外の射撃専門でも話題になっています。まだまだ新情報は追加されそうですが、とりあえず現時点で「海外の皆さんはどんなこと話してるのか」を抜粋して紹介してみたいと思います。

モリーニの新型エアピストル「CM200 EI」

引用元:TargetTalk(New Morini Air Pistol – CM200 EI)


  • 出るみたいですね。

    (オーストラリア、シドニー)

 

  • チラシを見ると、いくつかの仕様変更があるようですね。(バージニア州ヘイマーケット)

 

  • ほぼ162EIそのまんまにしか見えません……バレルカバーとチャージングハンドルがカーボンになっているのと、グリップの電子部品カバーがカーボンであることくらいしか外観の変化はありませんね。レシーバーの形状がちょっとだけ違うっぽいですが、他になにか変更点ってあります?(北ロンドン/オハイオ)

 

  • >他になにか変更点ってある?
    分かりません……。チラシを見たという方、画像を投稿できますか?(オーストラリア、シドニー)

 

  • 動画を見る限りでは、電子部品がグリップ底部に配置されているようです。ということは、電子ユニットに「左手用/右手用」のバージョン違いがないってことかもしれません(訳注:現行のモリーニCM162では右手用を左手用に変更しようとすると電子部品の基盤ごと交換になってものすごいコストがかかりました。そのため右手用グリップを削ったり盛ったりして強引に左手用に改造して使ってる人まで)。新しいグリップには、角度調整機能があることが確認できます。バレル途中には(反動軽減のために上方向にエアの一部を吹き出すための)ポート(穴)があります。
    なお、チラシはコレです。
    morini
    (バージニア州ヘイマーケット)

 

  • 他の全てのISSF競技用エアピストルメーカーの新製品は、アブソーバー(反動軽減装置)を追加することによって近代化していますが、この製品にはそれは無いのですか? カーボンファイバー製のパーツなんていう、どーでもいいことじゃなく、アブソーバーこそがシューターに求められてるものです。モリーニ製のエアピストルは既にありとあらゆるエアピストルの中でも最高峰の素晴らしいトリガーを備えていますし、全体のバランスだって良いものです。(サニーサウス)

 

  • >アブソーバーは追加されないのか
    モリーニは、決してアブソーバーを追加しないでしょう。彼らはそれの効果を信じていません。(バージニア州ヘイマーケット)

 

訳注:ここ、気になりますね。他メーカーのエアピストルではほぼ必須装備になってる反動軽減装置(メーカーによって、アブソーバーとかスタビライザーとか呼び名が変わります)が、このモリーニの新製品にはどうもついていないようなのです。技術的な問題で追加することが難しかったのか、それともモリーニは「エアピストルには反動軽減装置は必要ない」と考えているのか? これについて偉そうなことを語ることは、反動軽減装置付きのAPを撃ったことが一度もない私には無理なのですが……。

 

  • こんな動画もありましたよ。

    (オーストラリア、シドニー)

 

  • グリップは、162EIと新型のCM200EIの間で互換性がありますか?(コッパーヒル・テネシー州)

 

  • おそらく、新旧モリーニでグリップの互換性はありません。動画を見る限り、電子ユニットを収納する部分の形状が異なります。グリップ角度を調節可能にするためには、162EIとは全くことなる取り付けシステムを使用する必要があります。これは私の考えですが、グリップポジションの柔軟性を高めるため、電子ユニットを再設計して小型化したのだと思います。
    あと気づいたことですが、あちこちにカーボン製パーツを使って見た目を変えているにもかかわらず、エアシリンダーは現行製品とほとんど形が変わりません。ワルサーの新型エアピストル「LP500」に関連したスレッドにおいてパーツに新旧の互換性が無いことに嘆く大勢のユーザーを見ていると、この選択は正解だということがわかります。(マサチューセッツ州)

 

  • >エアシリンダーは共通。ワルサーの惨状を見ているとそれは正解だと思う
    いやまったくそのとおりですね。ワルサーやファインベルクバウは、実績のあるデザインを「進化」させてしまうということがどういうことなのかを十分に学んだでしょう。モリーニとステイヤーが過去20年間で、エアピストル市場からワルサーとファインベルクバウを完全に駆逐してしまったのも不思議はありません。(ニュージーランド)

 

  • >実績のあるデザインを「進化」させてしまうことの悲劇
    TargetTalk(このBBS)を読み書きするようになって長いですが、あなたのその投稿は、私がこれまで当BBSで読んだありとあらゆる書き込みの中でも、最も賢明で、そして正確な書き込みの1つだと思います。
    私は、CM200 EIの写真を見た途端、すっかり気に入ってしまいました。つい先日LP500を注文したなんて事実は脳内からすっかり消え去ってしまいました。
    気になることと言えば、そうですね、コンパクトバージョンは追加されるんでしょうかね? 現状で所持しているモリーニCM162EIチタンは、これはこれで私は気に入ってるので、新しく追加するとしたら長いバージョンではなく、CM200EI Shortがいいんですけれど。(オーストラリア、シドニー)

 

  • ちょいと話題に乗り遅れてしまいましたが、2つばかり質問よろしいでしょうか?
    1)価格は?
    2)電子部品を交換せずにグリップを右から左に変更できますか?
    (国籍不明)

 

  • 数年前……射撃仲間と、「モリーニのグリップが角度調整可能になって、バレルにポートが付いたら最高なのになあ!」って話をしていたことを思い出します。それがまさに今、現実のものとなりました! この銃を買わなければという、ピリピリした衝動を感じています!!!(確かドイツの人)

 

  • CM84Eカーボンを2ステージ・トリガー仕様で注文したばかりなんですが……。たぶんCM200の注文開始は4月くらいですよね?(バージニア州ヘイマーケット)

 

  • 詳細なパンフレット(PDF)をアップしました。
    NEW CM 200EI
    (オーストラリア、シドニー)

 

  • パンフレットの8ページにある「トレーニングモード」とは何ですか? そこには、「トレーニングプラグを装着することで、ランダムに動作する」と書いてあります。なにがどういうふうにランダムに動くのでしょう? まさか、トリガープルが設定した値を無視してランダムに変化する……なんてわけはないでしょうから、考えられることは「弾が発射されるか、されないか」がランダムで切り替わる……とか? それによって、エアピストルでも「ボール・アンド・ダミー・エクササイズ」ができるようになるってことでしょうか?(カナクーダ)

 

訳注:これについては、このエントリー冒頭に引用したライフルショップエニスさんのFacebookへの投稿内に詳しく書いてありますね。グリップ底部にある電子ユニットのスイッチ横にあるソケットに、付属する「トレーニングプラグ」を差し込むことで空撃ちと実射がランダムに切り替わるシステムとのことです。

 

  • トレーニングモードですか。興味深い追加要素ですね、間違いなく。ピストルだと(ライフルに比べて)トリガーエラーしても反動で打ち消されてしまう(だから射手が自分のトリガーエラーに気づきにくい)ので、おそらくライフルのそれより便利に使えると思います。(マサチューセッツ州)

 

  • >ランダムに動作するトレーニングモード
    詳しいことは分かりませんが、興味がそそられる機能ですね。
    他にも、今になってポリゴンバレルを採用してるというところも気になる点です。
    個人的な意見ですが、Moriniには既に「勝利の方程式」である162EIがあるわけで、新製品であるCM200EIはそれに対して合理的なアップグレードを追加したものなのでしょう。(オーストラリア、シドニー)

 

  • >ランダムに動作するトレーニングモード
    Morini社のFrancesco Repichはすでに数年前からこのアイデアを持っていました。ランダム・ファンクションはトリガーをときどき空撃ちモードへと切り替えるものです。これにより何がわかるかというと、射手がトリガーをスムーズに引いているか、つまり撃発時にピストルに追加の動きを加えていないかということです。以前は、コーチが装填されてたりされていなかったりする銃を射手に渡すことで、ドライファイア時に「トリガーへの恐怖」のために銃が激しく動いてしまう現象が起きるかどうかを確かめる、ということをやっていました。
    最初に考え出されたのは、コーチが射手の後ろから遠隔操作でスイッチで切り替える仕組みでしたが、これはISSFのルールに違反してしまう可能性がありました(試合中に、その機能を完全にオフにすることができないからです)。
    Francesco氏は時々このフォーラムにも登場します。彼によると、この練習方法は反動が大きい銃だけでなく、反動が存在しないエアピストルにおいても有効だとのことです。(ドイツ、ドルトムント)

 

  • >ワルサーとファインベルクバウを完全に駆逐してしまった
    私は、そこまでだとは思えません……。確かにステイヤーとモリーニは過去20年でエアピストル市場において圧倒的なシェアを獲得しましたが、ファインベルクバウもワルサーも、かつての栄光を取り戻そうと新型を投入しています。
    また、スプリング式のエアピストルの世界ではファインベルクバウもワルサーも、常に最高級の製品を作ることで知られています。(中央アメリカ、コスタリカ)

 

  • >ワルサーとファインベルクバウを完全に駆逐してしまった
    私はK12ユーザーなんですが、パルディーニはどうなんでしょう。(国籍不明)

 

  • >パルディーニはどうなんでしょう
    パルディーニがどれだけのシェアを持っているかまでは分かりませんが、少なくてもマッチエアーピストルのトップ5にはいるブランドの一つだということは確かです。
    本当に重要なことは、あなたが自分のピストルが好きだということです。そのことは自信に繋がります。(中央アメリカ、コスタリカ)

 

  • アメリカでは、ファイナルでたくさんのパルディーニ・ユーザーを見ることができます。私がパルディーニを選んだのは、機械式トリガーのAPとしては最も優れているからです。(バージニア州ヘイマーケット)

 

  • >アメリカではパルディーニをファイナルでよく見る
    それは事実かもしれません。しかしワールドカップ決勝ではパルディニのLP(Luftpistole=エアピストルのドイツ語表現)はファイナルの座からは遠いところににあります。ステイヤーは、現在でも圧倒的な支配力を持っています。
    ファインベルクバウからの新しいモデルである「P8X」や、モリーニの新型「CM200」、そしてWaltherの新型「M500」が、このステイヤー一強支配状態を変更する可能性はあるのでしょうか、ないのでしょうか。
    先日、ファインベルクバウP8Xを何発か試射する機会がありました。優れたメカニカルトリガーでした。(古いヨーロッパ)

 

  • >P8Xは優れたメカニカルトリガー
    同意です。私がこれまで手にしたことがある銃の中でも、おそらく最高のトリガーでした。他にも数え切れないほど気になる部分があります。注目に値する製品です。(オーストラリア)

 

  • 私は正直言って、この変化は気に入りません。
    モリーニは、ユーザーがより簡単にバレルウエイトを追加できるようにするべきだと思います。ピストル射撃競技をしている多くのシューターは、ピストルにウエイトを追加することを好みます。ステイヤーやファインベルクバウのように、最初から追加用のウエイトが付属するようにするべきです。
    トリガーシューが幅広く、まっすぐになりましたが、トリガーシューをツイストする必要はありません。
    なぜグリップが、まるでパルディーニのようになったのでしょうか。ステイヤーのようにリアサイトを動かすことができないのなら、このグリップスタイルの変更には意味がありません。
    コンペンセイターについては、古いデザインのほうがずっと良かったですね。新しいデザインは好みではありません。
    ポートの開いたバレルは、あってもいいとは思いますが必要ありません。
    バレルスリーブとコッキングレバーがカーボンファイバー製になったことについては、もう言葉もありません(訳注:ダメだって言ってるみたいです)。電子トリガーのランダム機能って、それは一体どこの誰が必要としているんですか?
    とにかく言えることは、私は今使っている古い162EIブラック(チタニウムではないもの)を使い続けます。こんなものに無駄な金を使うよりは、化粧品でも買って自らの見た目を変えることにお金を使います。(国籍不明)

 

  • このモリーニの新型も、ワルサーの新型(LP500)も、私には外観はすごい好ましく感じます。
    メカニカルトリガーのほうが好きなんでその仕様が出るのを待ちますが、カーボン部品については別になんとも思いません。
    実際に両方を見て手に持って比較したいですね。(国籍不明)

写真見たときの第一印象は、「あんまりCM162EIと変わってないなあ……」というものでした。これは海外射撃勢の皆さんにとっても同じようなものだったようです。ただ、「大きく変わった」ことより「あまり変わってない」ことを高く評価する人が意外に多いのが面白いですね。

「新製品だから、従来製品とはひと目で違うということがわかる斬新なデザインにしなければならない」という呪縛のもと、互換性を大きく犠牲にして、しかし機能的にそれほど大きく変わるわけではない「新製品」を出してしまい、ユーザーを落胆させてしまうという例は、競技用エアピストルに限った話じゃなくあちこちでよく聞く話だと思います。ここで、「見た目はあまり変わらない新製品」を出してきたモリーニの考え方は、果たして吉と出るか凶と出るか!?

あえて意地の悪い見方をするなら、「エアピストルの設計ができる人がいなくなって、既存の設計を大きく変化させるような新設計ができなくなっただけじゃないのか」という考え方もできますが……。



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