実銃射撃 海外の反応シリーズ

日本が世界大会で3連続メダルなのに報道は皆無【海外の反応】

投稿日:2017年6月17日 更新日:

ISSF World Cup Rifle/Pistol 2017 - Gabala, AZE - Final 10m Air Pistol Men2017年6月11日、アゼルバイジャンのガバラで開催されたISSFワールドカップ第6ステージにて銀メダルを獲得した松田知幸。机には、中継で松田選手を写すためだけの専用カメラが備え付けられている。他選手にはない。「松田専用カメラ」である(写真はISSF公式サイトより)

アメリカでの自動車レースで日本人の元F1ドライバーが優勝した時、「快挙なのに日本ではほとんど報道がない!」って憤慨してる人がけっこういました。日本開催の飛行機レースで日本人が優勝したときも、「快挙なのに、同イベントでお披露目されたゼロ戦の飛行のほうばっかり話題になってて歯がゆい」みたいなことを言ってる人もいました。

せっかく日本人が世界の舞台で活躍しているのに、マイナースポーツだとあまり報道されない、ってのは良くある話です。憤慨する気持ちは良くわかります。けれど上の2例に勝るとも劣らない記録を更新中なのに、上の2例より遥かに徹底的に日本のメディアでは黙殺されている「快挙」があります。ISSFワールドカップの10mピストル競技において、3大会連続でメダルを獲得している松田知幸選手の活躍です。

少なくても現時点ではYahooニュースを「松田知幸」で検索してみても、昨年夏のオリンピック直前特集が一つヒットするだけ。日本ライフル射撃協会のサイトで少しだけ速報と写真が掲載されているのがせめてもの救いです。

なので当ブログでは、ISSF公式サイトに掲載されているニュースとリザルト、そしてYoutubeにアップされているISSF公式動画を元にこのニュースをお伝えしたいと思います。

●文中、ところどころ敬称略で失礼します

ISSF公式動画。前半は1-2-3位争い、後半は2-3位争いが、誇張抜きで「1発撃つたびに順位が入れ替わる大接戦」だったのでアナウンサーが超大変なファイナルになりました。

 

201706wc-ap60m-final
例によって「10.0を基準として、それより上を撃つと上向き、下を撃つと下向きにになる折れ線グラフ」でファイナルの得点推移をグラフ化しました。いくつもの線が複雑に絡み合うデッドヒートだったことが良くわかります。

Yang Weiは、ガバラで中国の3つめとなる金メダルを獲得した

Yang Wei signs People’s Republic of China’s 3rd Gold medal in Gabala
ISSFワールドカップライフル/ピストル・ガバラ(アゼルバイジャン)

アゼルバイジャンのガバラで開催されているISSFワールドカップのステージ5。総メダル獲得数で他国をリードしている中国が、6つめとなるメダルを獲得した。日本の松田知幸は銀メダルを獲得、ウクライナのOleh Omelchukは3位でフィニッシュした。
 


中国のピストル射手、Yang Weiにとってはまさに「3度目の正直」である。ここまでの2試合で5位、54位という結果に終わっていた彼にとって、今回のワールドカップ・ガバラでの結果はキャリアを飾る最高の結果と言えるだろう。

この31歳中国人はファイナル後半に入ってから10.3の好ショットを連続、他選手を大きく引き離して試合を終えた。ファイナル得点240.1で、自身初となるワールドカップ金メダルを獲得した。Yangのメダルはガバラ大会で中国が獲得した3枚目の金メダルとなる。

現在、10mピストル競技で世界第3位にランキングされている日本の松田は、ファイナル得点237.9で銀メダルとなった。これは自身のキャリアにおいて6つめとなるメダルである。今期ワールドカップでは、インド・ニューデリーでの金メダル、ドイツ・ミュンヘンでの銀メダルに続き、3大会連続でのメダル獲得だ。

表彰台の最後の1席は、ウクライナの33歳のOleh Omelchukが、ファイナル得点217.1で銅メダル。自身のキャリアで2度目のメダルを獲得した。

本戦スコアではトップだったウクライナのViktor Bankinは195.3の4位となり、表彰台を逃した。彼は2日前の50mピストルでも8位に入りファイナル出場していたが同様に表彰台を逃している。この26歳のピストル射手は自身初となる10mピストルのファイナルにおいて、セルビアの32歳Dimitrije Grgic(175.7・5位)と熾烈な4-5位争いを繰り広げた。

前回のワールドカップ・ミュンヘンで4位だった韓国のSo Seungseobは、今大会では155.2の6位となった。

韓国に一歩およばなかったのは日本の35歳、堀水宏次朗(134.6で7位)。そして中国の2人目のファイナリストである24歳のWu Jianfengが115.2で8位となった。
 


上にアップしてあるファイナルでの得点推移グラフを見ると、「10.0平均を撃ち続けることが、ファイナル勝利の最低条件」ってのが良くわかりますね。序盤で引き離せば勝利だとか良く言われますけれど、10点の深いところに数発くらい連続して入っても9点ギリとか8点台を撃っちゃうとあっさり帳消しになっちゃいます。逆に言えば9点ギリを撃っちゃっても次に10点の深いところに入れればなんとかなる、ということでもあります。また、本戦と違って9.8とか9.9は失敗ではなく「全然OK」なショットと考える、そういう割り切りも必要になるんじゃないかと思います。

では、いつもどおりファイナル出場者みなさんの使用銃を見ていきたいと思います。画像は全てYoutubeにUPされているISSF公式動画よりキャプチャしたものです。
 

g-02優勝した中国のYang Weiが使用しているのはステイヤーのLP1。今では旧型となったLP10よりさらに前の世代のエアピストルです。もしかしたらCO2時代の銃を圧縮空気式に改修したものかもしれません。いずれにせよかなり古い銃です。(コメントによる指摘を受けて訂正:6月18日)


f-01銀メダルの松田知幸選手が使用するのは、前回までと同じく今期から使い始めたステイヤーEvo10E。射座にある机に設置された「松田専用カメラ」からの映像です。


e-023位のOleh Omelchuk(ウクライナ)が使用するワルサーLP300。現行モデルはLP400なので、これは一世代前の「旧モデル」になります。右側面が写るシーンをアップにすると「XT」という刻印がうっすらと見えますので、さすがに廉価版の「Club」ではないようです。


b-024位のViktor Bankin(ウクライナ)が使用するステイヤーLP10。刻印がはっきり見えるので「電子トリガーのLP10Eではない」ことが確実です。LP10Eは少なくてもウクライナでは嫌われているようです……?


d-025位のDimitrije Grgic(セルビア)が使用するステイヤーEvo10E。銃検シールの数から察するに、今期になって使い始めたばかりの新しい銃ですね。


c-016位のSO Seungseob(韓国)が使用するモリーニCM162E。「化石」とか「骨董品」とか呼ばれるくらいに古い設計の銃ですが今でもトップレベルで現役です。これは素材が変わった「チタン」。銃検シールの数から分かるとおり、買ったばかりの新しい銃のようです。


h-017位の堀水宏次朗(日本)が使用するステイヤーEvo10E。なお装填口のフタが開いているのは、ファイナル開始前のサイティング練習時間内の映像だからです。


a-018位のWu Jianfeng(中国)が使用するステイヤーLP10E。


というわけで、ファイナル出場者8人中、6人という圧倒的多数がステイヤー使いという結果になりました。残りの2人は、モリーニ1人、ワルサー1人という形です。ただステイヤーユーザーの中でも、最新型のEvo10Eが3人、一世代前のLP10Eが1人、そしてメカニカルトリガーのLP10が1人に、さらに古い世代の銃であるLP1が1人と、機種ごとに見ればかなりシェアはバラけている印象があります。

今回、ついにただ一人となってしまったモリーニユーザーですが、写真を見るとコンペンセイターとシリンダーの間に明らかに何か挟んでるんですよね? 専用パーツってわけじゃなく、見た目はまるで梱包用スポンジかなにかに見える白いクシャっとした何かが。「銃身を下から支えて振動を減らして命中精度を上げる」みたいな効果を狙ったものなのか……と思いましたが、もしそうならメーカーがとっくにやってるはずです。

こういうのって意外と、「シリンダーを上から抑えて下方向に捻じ曲げておかないとエア漏れするトラブルがあるから(つまり応急措置)」みたいなしょーもない理由だったりする可能性もあるので油断できません(笑)

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