トイガン射撃 製品レビュー

ノーベルアームズ:PINPOINT VD21詳細レポート(後編)

投稿日:2011年4月1日 更新日:

4月3日の赤羽ピンポイントシューティングにて賞品として出す予定の、ノーベルアームズ製ドットサイトの詳細レポート後編です。

製品スペック
ノーベルアームズ PIN POINT VD21
1×33mm
バリアブルドットビルトインマウント
価格:¥8,900-(税込¥9,345-)
倍率:1倍
全長:82mm
重量:115g


上の写真は付属品一覧。予備の電池1本とクリーニングクロス、調整用の六角レンチ2本(大小)と、ラバー製のレンズ保護キャップ。これに英語の(正直言って、ちょっと分かりづらい)マニュアルが1枚付属する。ケースは味も素っ気もない真っ黒な紙の箱に製品名とメーカーロゴが印刷された白いシールが貼ってあるだけ、という「もうちょっと、店頭での見栄えとか気にしたデザインにしようよ…」と思わないこともないデザインだったりする。

●エレベーション・ウインデージの調節

マウントは20mmのピカティニー規格のレールに対応している。別途マウントリングの類を購入する必要はない。

上下左右の調節は、六角レンチを使って行なう。明るさ調節ダイヤルの後ろに上下方向の(エレベーション)調節ネジ、左側面に左右方向の(ウインデージ)調節ネジがついている。両方とも分かりやすく「UP」「R」と矢印付きで、どちらに回すと着弾点がどちらに動くかが書かれているので、よほどのことがないかぎり間違えるということはないだろう。

念のため。弾が下に当たる時には「UP」の方、上に当たるときはその逆に回す。左に当たるときには「R」の方、右に当たるときはその逆だ。

PINPOINTは、ドットサイト本体とマウント部分が2ピース構造(別のパーツに分かれた構造)になっている。レンズの真下あたりに支点があり、エレベーション/ウインデージ調節ネジを回すことによってその支点を中心としてドットサイト本体が上下・左右に回転するという仕組みだ。

調節機能が付いている部分を、下から見たところ。太いバネによってテンションがかけられていて、そのバネを縮めたり伸ばしたりする方向にネジで調節する形になっている。バネのテンションがあるため、バックラッシュ(ネジを一方向に回したあと、反対方向に回そうとしたときに、最初に少しだけ回しても無反応になるエリアができること)が生じない。

ここらへんが、安価なサイトとそうでないちゃんとしたサイトの違いにもなっている。安価なドットサイトだとフツーにネジでそのまま発光部を上下左右に動かして調節しようとしている製品が多い。バックラッシュのせいで「回してもまったくドットが動かない」という状態になりがちだし、レンズと発光部の位置関係の変化でドットの見え方が変わったり(上下に動かすとドットが縦に伸びたり縮んだり)といった現象が起きたりする。

レンズと発光部の位置関係は強固な金属部品に固定されていて全く変更せず、上下左右の調節は本体とマウントの位置関係の変化で行なうという方式が、繊細なドットの形状の維持や大きさの調整機能を損なわない秘訣だと思われる。

上下・左右の調節は、付属するレンチの「太いほう」を使って行なう。六角レンチでネジを直接回すという豪快な調節方法ではあるが、回してみると「カチッカチッ」というクリック感がちゃんとあって、単にネジを締め込んだり緩めたりしてるわけじゃなく、ちゃんと「サイトを調節している」という感触があるところがいい。

マニュアルによると1クリックあたり1MOAの調節とのことだ。MOAというのは角度の単位で、「100ヤード先で1インチ」に相当する。ヤードだのインチだの、文明国ではとっくに廃れている(はずの)単位を平気で使われるあたり、射撃用品ってのは人を混乱させるのがよっぽど好きらしい。文明人らしい単位に直すと「91.44mで25.4mm」となる。エアガンで実用的な距離では、「10mで2.8mm」、「5mで1.4mm」といったところだ。

10mの距離でドットをターゲットの中心に合わせて撃って、下に2cm、右に1cmズレていた場合、「UP」の方向に7クリック(20/2.8=7.1)、「R」の反対方向に4クリック(10/2.8=3.6)回せば、だいたいターゲットの中心あたりに着弾するようになるということになる。ただし、近距離で撃つ場合は特別に気にしなければならない部分もある。それについては後述する。

●ロッキングスクリュウの使い方

六角レンチは、サイトの上下左右調節とマウントの締め込みに使う「太いほう」の他に、「細いほう」のレンチがもう一本付属する。このレンチは、左写真のようにマウント部分の右側面にある小さい穴の奥にあるネジを回すためのものだ。

では、このネジはなんのためのネジなのだろうか? マニュアルには使い方は一切書いてなくて、ただ名称が「ロッキングスクリュウ」である、ということだけが記載されている。

文字通り、このネジは上下左右の調節が終わってから締め込むことで、サイトをロックするものだ。ロッキングスクリュウを締め込むと、左図の赤矢印で示した部分からネジが飛び出してきて、中央にある突起に食い込んで固定される。この突起は、左右調整ネジを回すことで左右に動き、マウントと本体の位置関係を変えるためのものだが、前述したとおりVD21は「上下左右の調節ネジ」と「強くて短いバネ」に挟まれる形で上下左右の位置決めをしている。調節が終わった状態で本体を持ってねじると、それがバネを縮める方向の回転だった場合、サイトが動いてしまう。手を離せばもとに戻るのだが、「サイトがガッチリと固定されていない」というのは状況によっては欠点になりうる。それを防ぎ、サイト本体とマウントをガッチリと固定してやるためのネジがロッキングスクリュウというわけだ。

注意点としては、ロッキングスクリュウを締めこんだ状態で上下左右の調節ネジを回してはいけないということ。回せば回ってしまうのだが、上写真で締めこんで食い込んだ部分がガリガリと削れてしまう形になる。上下左右の調節をする際には、ロッキングスクリュウを必ず緩めておくことが重要だ。また、部品の噛み合いの関係で、ロッキングスクリュウを締めこんだことによりサイトの調節が少し動くことがある。その場合は、一度ロッキングスクリュウを緩めて再度調節し、またロッキングスクリュウを締めこんで…という繰り返しにより調節を煮詰めていくことになる。

●ドットの投影距離による着弾のズレ

最後に、ドットサイトを精密射撃に使う上での注意点だ。

ドットサイトは、レンズ上に光点を擬似的に「遠距離」に浮かんでいるような形で投影する機械だ。その「遠距離」というのが具体的にどのくらいの距離なのかは、製品によって差がある。ほとんどの製品ははるかに遠い距離、いわゆる「無限遠」にドットが投影される。ドットサイトを固定した状態でサイトを覗いて、顔の位置だけを動かしてみることによってドットの投影距離を調べることができる。近距離にあるモノの上にドットを置いて、顔の位置を動かしたときにドットがそのモノの上を動くように見える場合、それはドットが遠いか、近いか(よほどの粗悪品でもないかぎり、ドットの投影距離が近すぎるということはないが)のどちらかだ。投影距離が遠い場合は、ドットはターゲットを「追い越す」ような形で動く。

サイトを固定している、つまり「銃の位置が変わっていない」のにドットが指し示す場所が変わるということは、つまり「狙ったとおりの場所に当たらない」ということだ。ドットをスクリーンの中央に置いた状態で狙いをつけて、きっちりとドットが指し示した場所に弾が当たるように調節してあったとしても、ドットがスクリーンの端っこにある状態だと、狙った場所とは違う場所に当たる=外れてしまうということになる。

これを防ぐための方法は2つある。一つは、ドットの投影距離が射撃距離と同じになっているドットサイトを購入すること。だが5mとか10mといった近距離に調節してあるドットサイトなど皆無に等しい(少なくてもノーベルアームズ製品では存在しない。PINPOINT VD21のドットも無限遠に投影されている)。となるともう一つの方法は、常にドットがスクリーンの中心にあるような形で照準して撃つということだ。ドットサイトの利点の一つを潰してしまうことになるが、これが最も現実的な対応の方法だろう。

●まとめ

VD21は、緻密で正確なドットのサイズ調節機能をもち、シンプルな上下左右調節メカニズムにより広範囲にわたる確実なゼロインを可能にしたサイトだ。ただしエアガンに使う場合は、ドットの投影距離が無限遠になっているため、特に5mとか10mといった近距離で数ミリ単位が勝敗に直結するような精密射撃を行なう場合には注意が必要になる。とはいえ、幅が広く歪みの少ないレンズは素早い照準を大いに手助けしてくれる。ターゲットが十分に大きいシューティングマッチならば投影距離の差による着弾のズレはほとんど問題にならないだろう。

このドットサイトは、4月3日に赤羽フロンティアシューティングレンジにて開催される「ピンポイントシューティングL」にて、賞品として出します。順位には関係なく、エントリーNoによる抽選で賞品は決まりますので、ベテランの方でも初心者の方でもチャンスは変わりません。賞品目当ての方、精密射撃の雰囲気を味わいたい方、どうぞご参加ください。お待ちしてます。

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